2019年2月、考古学に馴染みのない一般の方々を対象に「縄文土器を実際に作ってみる」ワークショップを開催しました。従前より交流のある比叡平里山クラブと、考古学研究室所属の院生らのチーム共催により実現したものです。
当日は最初に3人の縄文土器研究者がミニレクチャーをし、質問タイムのあと、最新の研究成果を反映しつつ推定した当時のやり方で土器を作っていきました。
諸事情で実際の製作時間が3時間半ほどとなってしまい、半分程度の方が作り終わらず持ち帰ることに。完成した土器はお預かりし、1ヶ月程乾かして3月23日に同じく大津市比叡平で野焼きをします。


縄文土器を作ろう!というワークショップに参加しているだけあり、皆さん熱心に聞き入っていました。講師の一人、小泉さん曰く「縄文土器というのは当時においても決して自由に想像を膨らませて作っていたというわけではなく、地域や時代ごとに一定のスタイルがある。そのちょっとした違いが折り重なって縄文土器のバラエティが生み出されている」とのこと。そのちょっとした違い、あるいは共通性を見出すことで日本考古学(とくに縄文土器研究)は進んできました。
以前京大総合博物館主催でおこなわれた「考古学者の弟子」ワークショップでは、実際に遺跡から出土した縄文土器を地域ごとに見比べてもらい、「作り方」「材料となる土」「出来上がった土器の形」の違いを体感してもらうものがありました。こうした縄文土器の一見複雑で自由な装飾や形のバラエティにも法則性があると感じてもらうことで、地元の博物館にある一見地味な土器にも親しみをもってもらうことができるかもしれません。実際、東日本に比べると近畿地方の縄文土器というのはとてもシンプルなものが多く、縄文土器といえば東日本や中部の土器を思い浮かべるひとも多いはず。
今回のワークショップではそこから一歩すすめて、「使える」縄文土器を作ろう、そして使ってみよう!がテーマ。派手な飾りがついた土器も、実は煮炊きに使った痕跡が検出されているものが少なくありません。
野焼き後にはちょっとしたお楽しみも企画中。参加者の皆さんの土器がうまく焼けるよう、祈りつつこの投稿を締めくくりたいと思います。
2020年10月10日追記:2019年3月23日、大津市比叡平にて野焼きをしました。ワークショップ参加者の土器は全て無事に焼き上がりました!比叡平里山倶楽部ホームページに西原が報告しています(下記URL)。
関連URL
比叡平里山倶楽部 http://hieidaira.town-web.net/satoyama/
比叡平里山倶楽部>里山活動報告>平成31年3月23日 繩文土器の野焼き